構造と特徴

✔耐塩水性 ✔速硬化性 ✔低変質性(炭酸塩化)
MXDAは、エポキシ樹脂硬化剤として用いることで、耐塩水性を付与できる特徴があります。洋上風力ブレードへの耐塩水性付与による補修期間の延長の可能性があります。また、速硬化性、塗装表面のべたつき低減といった特徴があり、作業性、生産性の向上が期待されます。
塩水条件下での強度保持率

耐塩水性で高い接着性を保持。洋上風力等の繊維補強の施工に適する。
ブレードの補修をイメージして、ベースGFRPをブレード本体に見立て、その上に各種硬化剤を用いてハンドレイアップ工法にてGFRPを積層しました。その試験片に塩水噴霧試験を行うと、一般的な脂肪族アミンでは経時で接着強度が低下するのに対して、MXDAは強度を保持します。
ハンドレイアップ成形

ブレードの補修時に、ハンドレイアップで積層することから、表面性が重要であるため評価すると、一般的な脂肪族アミンは、部分的、もしくは全体的に白化するのに対し、MXDAではクリアな表面になります。
硬化後の樹脂の状態(23℃-50%RH, 15時間)

ブレード補修時は、作業性が重要です。一般的な脂肪族アミンでは、23℃/50%RH、15時間でも表面のべたつきがあります(写真の黒色部分がべたつきのあった部分を示します)。一方で、MXDAは表面のべたつきはなく、十分に硬化していることがわかります。
マトリクス樹脂としての耐塩水評価処方(35℃/1 か月)

ブレード本体のGFRPのマトリックス樹脂組成物の一部をMXDAに置き換えることで、耐塩水性を付与することができることがわかりました。ブレード本体への耐塩水性付与によるブレードの長寿命化、メンテナンス期間の延長が可能です。

ブレードの大型化に伴い、エポキシ樹脂はロングポットライフが求められます。MXDAを10%添加した組成物では、従来処方よりもポットライフを延長させることが可能です。また、MXDAを用いたGFRPは弾性率が向上する傾向にあります。