構造と特徴
✔良好な水中塗装性: 水中でほとんど樹脂が分散や凝集しません
✔良好な耐塩水性: 5%塩水噴霧試験で12週間変化しません
✔低い吸水性: 水中で良好な耐久性を示します
✔高い鉛筆硬度: 高い耐摩耗性を示します
ガスカミン-240(G-240)は高い疎水性を持ったエポキシ樹脂硬化剤です。水中塗料の硬化剤としてG-240を用いると塗料の水中への分散がほとんどありませんでした。硬化物は高い耐塩水性と鉛筆硬度、低吸水性を持つため水中塗装後も良好な耐久性を示し、高い防食性能や補修期間の延長が期待できます。
硬化性能(23°C, 純水)
G-240の純水中の水中塗装性を評価したところ、硬化過程における樹脂の凝集は見られませんでした。また、G-240を用いた硬化物は12週間の塩水噴霧試験でも劣化せず、純水浸漬による重量増加も小さいため、水中において高い耐久性が期待できます。
外観(5% 塩水噴霧試験, 35°C / 12週間)
海水中での耐久性を評価するため、各種硬化剤を用いて23 ℃/50%RHの大気下で塗装し1週間硬化させた硬化物に対して35℃の5%塩水を12週間噴霧しました。一般的なポリアミン類のマンニッヒ変性物は樹脂表面上にブリスターが生成したのに対してG-240は劣化が見られませんでした。
配合処方&硬化性能(23°C, 純水)
G-240はポリアミン類のマンニッヒ変性物と比べて低粘度であるため操作性に優れます。また、耐塩水性や低吸水性に優れるため、水中での高い耐久性が期待できます。また、水中塗装時の樹脂の分散や凝集もあまり見られず、指触乾燥性も良好なため、高い水中塗装性が期待できます。
外観(1日後, 23°C, 純水)
水中での塗料の硬化過程において樹脂が凝集すると塗りムラの原因になります。23℃の純水中の塗装においてポリアミン類のマンニッヒ変性物は樹脂が凝集しました。一方でG-240は樹脂の凝集がありませんでした。
硬化時間(半乾燥)
水中塗料においても補修時間の短縮のためには速硬化性が重要となります。硬化促進剤としてサリチル酸を10wt%添加することで硬化時間の短縮が可能です。
水中塗装性(純水中)
水中塗装は鋼板以外にも橋脚などの建造物に使われるモルタルやコンクリートへの塗装性も重要になります。G-240にサリチル酸を10wt%添加することでモルタルやコンクリートへも水中塗装が可能になります。また、鋼板に対しても低温条件下で水中塗装することが可能です。
配合処方&硬化性能(5°C, 純水中)
外観(1日後, 5°C)
冬季や極地で水中塗装をするためには低温塗装性が重要になります。ポリアミン類のマンニッヒ変性物は低温塗装時に樹脂の凝集が大きくなるのに対して、G-240にサリチル酸を添加したものは樹脂の凝集がなく、低温塗装においても良好な水中塗装性を示します。